大学生とUSCPA


 USCPAの受験指導校の宣伝のためか、最近、大学生でUSCPA試験に興味を持っている人が多くなってきました。
 その方達に共通している、一般的な特徴は、次の様なものでしょうか。
 1 何故か、英語とも会計とも関係のない学部の人が多い。
 2 短期合格を狙っている。
 3 就職に役に立ちますか。と聞いてくる。
 4 経理、監査、コンサルティングといった基本的な事項について
   全くと言って良いほど知らない。

 1については、法学部、経済学部等のゼネラリスト系の学部の出身者が、この不況の中で、スペシャリスト指向に転じたいと考えて、USCPAに興味を持つケース等があります。
 でも、私としては、大学4年間の勉強を全く否定するような方向変換を進める気にはなりません。法学部や経済学部なら、他の資格を狙えば良いのに・・・。と思います。

 2は、大学生に限らない問題ですね。
 はっきり言います。USCPAは、大学受験よりも遙かに難しい試験です。
 「一生懸命勉強すれば大丈夫だ。」と思っても、大学入試の頃のような甘いスケジュールではだめですよ。

 3の「就職に役立つかどうか」という点では、間違いなくYesでしょう。大学生ぐらいの若さであれば、実務経験は後から付ければ良いことです。
 ただ問題は、大学4回生の就職活動までにUSCPAに合格するのは至難の業だということです。試験浪人するという手も考えられますが、もし、最終的にUSCPAに合格できなければ、他の職種に行こうとしても、つぶしが利かずに苦労しますよ(この点日本の公認会計士はつぶしが利きます)。

 4は、重要な問題です。
 社会人であれば、企業の経理や監査部門が、日常どういう業務を行っているか大まかながら知っています。そして、これらが結構地味な職業であることも知っています。
 ところが、なぜか大学生は、「花形」のイメージを持っているようです。これは、大きな誤解ですね。確かにスベシャリスト指向の職業ですが、スベシャリストと華やかさは常に同居している訳ではありません。
 また、コンサルタントというのは、漠然とした職業で、その内容は千差万別です。
 ただ、共通して言えるのは、問題解決能力、文章・会話等のプレゼンテーション能力、専門知識、が必要な職業だということです。資格を取るということは、この内の専門知識の一部を身に付けているだけだということを認識してください。したがって、USCPA試験に合格したからといって、コンサルタントになれる訳ではありません。

 

 以上、辛口の意見を書きましたが、これは私の本音でもあります。
 本来、USCPA資格は、アメリカで経理処理や会計監査を行うためのスキルを認定する資格であることを忘れないでください。
 大部分の日本人USCPAは、アメリカで仕事をすることも、監査の業務を行うこともありません。したがって、USCPAを行かす道はかなり限定されてしまうのも、当然と言えば当然なのです。
 そういう意味でも、日本の司法試験、公認会計士試験、税理士試験の様に、試験合格後の進路にレールがひかれている資格と同列に考えると、後悔することになると思います。


  戻る