インタビュー(LPI)テスト体験記


 タイトルをみて、「LPIテストって何?」と思われた方が多いかもしれません。
 LPI(Language Proficiency Interview)テストとは、通常のTOEIC試験では直接測定できない、英会話能力を測るテストです。

 スコア730点以上でないと受験資格がないこと、受験料が高い(\13,000)こと、受験地が東京、大阪の2カ所しかないこと、受験申込期間が短いことなどから、実際に受験される人は少なく、このテストに関する情報は不足気味です。

 私は、先日(3月15日)、初めてこのLPIテストを受験しました。そのときの体験をまとめましたので、何かの参考になれば幸いです。


<控室にて>
 指定の11:30の10分前に会場に着きました。4階の受付(兼控室)に 行くと同時刻に受験予定の方がズラーと・・・はいませんでした。
 受付の女性2人と先に来ていた受験生1人。そして私の4人だけです。
 聞けば、その日の受験生は全部で21人とのこと。100人以上が待ってい る英検の2次試験と比べると、拍子抜けするぐらいです。
 そんな訳で、控室には試験独特の緊張感は全然なく、アットホームな雰囲気 でした。先に来ていた受験生は受付の人と談笑さえしていましたが、風邪をひいてしまって喉の痛い私は、本番まで極力声を出さないように、じっと我慢していました。

<試験室へ>
 前の受験生の話が弾んだらしく、5分遅れで1階上の試験会場へ案内されま した。
 試験官(ネイティブの男性。年齢は30代前半ぐらい)は1人、受験生も1 人、完全なマンツーマンですが、やりとりはすべてテープに録音され、後日他 の試験官からもチェックされるそうです。
 試験官とは、机を挟んで向かい合わせに座ります。英検の2次試験と比べる とかなり近く、まさに"FACE TO FACE"といった感じです。

<テスト序盤>
 初めに自己紹介をした後、次のようなことを聞かれます。この辺は「型どお り」という感じです。
 ・どこに住んでいるか(一人暮らしか)
 ・家族構成
 ・アメリカへ旅行したことがあるか
 ・仕事の内容
 その後、
 ・あなたの上司の特徴を説明して下さい。
 ・あなたの典型的な1日を説明して下さい。
 といった質問が続きます。特に難しい質問ではないのですが、簡単な単語や フレーズがとっさに出てこなくて、苦労しました。
 ちなみに私は「ひげ(mastash)」という単語がどうしても浮かばず(浮かん だのはなぜか"stomach")、手で鼻の下を押さえたあげく、"hair"と言ったりし ました(お恥ずかしい)。

 また、「食事は自分で作るのか」と聞かれ、「はい、カレーライスやスパゲッ ティや味噌汁なんかは自分で作ります。」と答えたところ、「ではスパゲッティ の作り方を説明して下さい。」という質問が来て焦ったりもしました。

<テスト中盤>
 15分ぐらい経過すると、突然、「では、話題を変えてロールプレイングを します。」と言われました。
 ロールプレイングの課題は、口頭での説明と同時に、カードでも渡されます。 (カードの裏には日本語の説明もありました。)
 課題はあらかじめ10種類ぐらい用意され、その中の一つが当たるのですが、 カードは3種類に色分けされていましたので、受験生のレベルに応じて3段階 の難易度に分かれているようでした。
 私に与えられた課題は「サンフランシシコからロサンゼルスへの切符を買う」 というもので、特に難しくはありませんでした。恐らく一番簡単なレベルだっ たのでしょう。

<テスト終盤>
 ロールプレイングが終わって安心していると、「では、今度はあなたの方か ら私に質問をしてください。」とのこと。はっきり言って予想外でした。
 最初は、「私は風邪をひいているのですが、声は聞き取れましたか。」等の 質問をしたのですが、どうも趣旨が違ったようです。途中で試験官から「私の プライーベートなことなどを聞いて下さい。」と言われました。
 その後、
 ・奥さんはいるのか
 ・好みの女性のタイプは
 ・今の(TOEIC関係以外の)仕事は
 ・生徒は、学生とビジネスマンのどちらが多いか
 等の質問をしました。

 はっきりいって、大変でした。どこまで突っ込んで聞いたら良いのか判らな いし、かといって質問をコロコロ変えると会話の流れを断ち切ってしまいます。

 最後に、「今日のこれからの予定は」と聞かれてテストは終了しました。時 間は正味25分ぐらいでした。

<感想>
 こうして文章にまとめてみると、なんだかすごくハードな試験を受けたみた いですが、私の素直な感想は、「怖がるほどのテストではないな」というもの です。
 確かに、簡単な単語やフレーズがいざとなると出てこなくなって冷や汗をか きますし、途中"and・・・"や"well・・・"を連発して実質何もしゃべらなかったり、 身振りでごまかそうとして、やたらとオーバーアクションになったりしました が、曲がりなりにも25分間ネイティブの人と会話を成立させることができ、 ホッとしています。
 私は、英会話学校に通っていないのですが、こんな感じで授業が繰り返され るのかなとも思いました。それなら、英会話学校の延長の感覚で、気軽に受験 してみても良いのではないでしょうか。

 また、25分間、ほとんど緊張しなかったこと、試験官の話される内容がほ とんど聞き取れたことの2点は、今後の自信につながってくれることでしょう。

 受験料が13,000円と高いので、毎回というわけにはいきませんが、今 後も出来る限りこのインタビューテストを受験していきたいと思います。


<結果>
 受験からほぼ1ヶ月経過後の、4月中旬に結果が返送されてきました。
 私の成績は・・・レベル1でした。(0,0+,1,1+,2,2+,3,3+,4,4+,5の11段階評価で数字が大きいほど優秀な成績です。)
 形の上では下から3番目のレベルですが、0,0+,そして5については、該当者がいたことがないため、私のレベル1は実質的には最低点ということになります。1〜2ランク上を期待していたので、少しショックでした。(これでも英検準1級の面接は通ったのですが・・・)

 スコアカードの他に、アドバイスシートが同封されていたのですが、それによると、
 「LとR、TIとCHの発音の区別が曖昧」
 「文法の誤りが多い」
 「もっとネイティブのスピーカーと話す練習を積むべきである」
 等、かなり手厳しいコメントをいただきました。(全部当たっている・・・)
 でも、これに懲りずに、毎年1ランクアップを目標に、頑張っていこうと思います。


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